【立会い出産】助産師が感動した立会い出産時の夫の関わり

ママ向け

こんな関わりをよく見る

tanuta
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助産師としてお産に携わっていると、産婦さんだけでなく、分娩立会いをされるご家族・パートナーさんとの関わりもたくさんあるんですよね。

立会いのために病院に来たのに、産婦さんの隣でゲームや動画鑑賞をしたり、寝ている方も少なくありません。

もちろん、産婦さんご本人が援助を望んでおられない場合もありますし、それがその夫婦の在り方であれば私たちがそれ以上は踏み込むことはありません。

あくまでも、分娩立ち合いは千差万別、正しい立会い方というのは存在しないという前提ではありますが、今回私が関わった産婦さんの夫の、分娩立ち合いでの様子がすごく印象的で、感動するものだったので皆さんにご紹介したいと思います。

この記事は

  • これから分娩立ち会いをするパートナーやご家族
  • 立ち会い出産でパートナーやご家族にどんなことしてもらったら良いのか分からない妊婦さん

に向けて、関わり方の参考にして頂ければと思います。

一生懸命マッサージ

tanuta
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産婦さんは初産で、お産は長時間にわたっていました。

陣痛開始から24時間以上、陣痛が強くなってから12時間以上経っていましたが、夫はずっと妻の腰をマッサージし続けておられました。

陣痛が始まったときは10分おきでしたが、後半は2~3分おきに来るので、その度に産婦さんの腰を一生懸命マッサージされていました。(もちろん食事やトイレの時は休憩されています。)

私も長らく助産師をしているので身に染みて感じていますが、陣痛中の産婦さんの腰をマッサージするのは本当に体力がいるものです。

マッサージ中の姿勢も、中腰だったり前かがみだったり体をねじる姿勢だったりして体への負担も大きいです。

人にもよりますが、そこそこ力を込めてマッサージする必要があるため、手や腕などへの負担もあります。

夜勤で一晩マッサージをすると、間違いなく腕は筋肉痛になりますし、身体はバキバキになります。

夫は産婦さんに位置や力加減を確認しながらマッサージされていて、助産師の入る隙がないほどに二人の息がピッタリでした。

率先して妻の吐物を片付ける

お産が進んでくる時に気分が悪くなって嘔吐される産婦さんがいます。

この時担当した産婦さんも嘔吐が続いていました。

嘔吐があった時はナースコールで呼んで頂ければ、私たち助産師が処理をするんですが、その産婦さんの夫は自ら吐物を処理されていました。

私が「こちらでやりますよ?」と言っても、「これは私がやるので妻の方よろしくお願いします。」と何より妻を優先してもらえるようにお願いをされました。

tanuta
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こちらで処理しますよ。

夫

私が処理するので、妻ほ方よろしくお願いします!

わたしは、吐物処理どうこうだけではなく、自分のことよりも常にパートナーを思いやり優先されている気持ちにとても感動しました。

助産師が来て産婦の体に触れるときは邪魔にならない場所に移動する

助産師は、産婦さんのお腹を触ったり、お尻や会陰部の抵抗感なと、内診以外でも産婦さんのそばで身体に触れながらお産の進行具合をみています。

その産婦さんの夫は、私がお部屋に入るといつも自分が邪魔にならない所に移動されて、私の動線を確保してくださいました。

そのおかげで、私自身もしっかりと状況を把握することが出来ました。

私は、素直に夫の気遣いが嬉しくありがたかったので、その都度お礼を言い、産婦さんの近くで関わり得た情報や今の進行具合は逐一ご夫婦に説明していくことを心掛けていました。

様々な飲み物やゼリーを準備して妻の口元に運ぶ

分娩は、ものすごくカロリー消費をしますし、大量の汗をかきます。

陣痛中の産婦さんは、痛みに耐えながらリラックスしたり呼吸を意識することで精一杯になることが多いです。

陣痛が来ていない時に、口元にサッと水分を運んでもらえるとこまめな水分摂取ができるので、サポートされる方には意識的に行なって頂きたいのですが、その産婦さんの夫は進んでそれを実行されていました。

さらに、水やお茶だけではなく、スポートドリンクやジュース、カロリー補給の飲むゼリーなど様々な種類を準備されており、産婦さんに確認しながら色んなものを口に運んで下さっていました。

「もっと他にできることはありませんか」の言葉

私たち助産師から見ても、とても献身的にサポートされている夫でしたが、分娩間近になった時に、

夫

出産の時、男は何もできないですね…。もっと他にできることはありませんか?

長年助産師をやっていますが、「もっとできることはありませんか?」と家族やパートナーの方から聞かれることが意外となかったので、すごく印象に残っています。

十分なほどに産婦さんへのケアをされている夫からこの言葉を聞いたとき、なんて良いパートナーなんだろうと感動しました。

まとめ

『立会い出産に正解はない』

今回は、私が感動した産婦さんの夫をご紹介しましたが、最初に述べた通り、この夫の関わりが正解というわけではありません。

ご夫婦それぞれの考え方や関係性も色々ですし、産婦さんによっては一人で集中してお産をしたいと思われる方もいます。

大切なことは、産婦さん自身が、どのようなお産をしたいのか、お産中どう過ごしたいのか、ご家族やパートナーにどんなサポートを求めるのかだと思っています。

その上で、ご家族やパートナーと話し合い、すり合わせをしてお産に臨んでもらえると嬉しいです。

私自身も、お産の進み方やお産中の過ごし方、周りの人が行えるサポートなどを、まずは知ってもらうために、できることを模索しながら発信していけるよう頑張りたいと思います!

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