母子手帳の書き方、赤ちゃんへの最高のプレゼントにする方法

ママ向け

妊婦さんになるともらえる母子健康手帳(通称:母子手帳)

手にすると「ママになるんだ!」という自覚が芽生える瞬間かもしれません。

母子手帳は、妊娠、出産、育児の記録を一括管理できるツールであり、持っていることで受けられる公的サービスも多数存在します。

そして、一番小さな育児本であり、生まれてくる赤ちゃんへの最高のプレゼントにもなる最強の手帳なんです。

今回は、助産師として働き、数々の母子手帳を見てきた私が、母子手帳を最大限に活用するためのコツをお伝えしていきます。

この記事を読むと次のことがわかります。

  • 母子手帳に絶対記載してほしい内容
  • 母子手帳の自由記載欄に何を書けば良いのか
  • 母子手帳を産まれてくる赤ちゃんへの最高のプレゼントにする方法

目次

母子手帳とは

母子手帳は正式には母子健康手帳といい、市区町村ごとに交付されます。

妊娠中と出産前後の経過や乳幼児(0~6歳)の健康情報、予防接種状況などの記録を一括で管理する手帳です。

母子手帳の内容

内容は、妊娠や出産の経過から、小学校入学前までの子どもの健康状態、発育、発達、予防接種などの記録といった全国的に共通している部分と、妊娠中や新生児についての注意点など、市区町村の任意で書かれる部分とがあります。

多少の違いはありますが、だいたい次のような内容が書かれています。

  • 妊婦の健康状態・妊娠中の経過の記録
  • 出産の状態と産後の経過
  • 乳幼児の発育等の記録(発育曲線)
  • 予防接種や歯科検診の記録
  • 健やかな妊娠・出産・育児のためのアドバイス
  • 妊娠期の注意
  • 妊娠中と産後の食事
  • 新生児についての注意
  • 育児のしおり
  • 母子保健に関する制度紹介など
  • 別冊(妊婦健診・予防接種の受診券など)

※ 実際の内容を厚生労働省HPで見ることができます。

全国に共通している内容(省令様式)

任意で書かれている内容(任意様式)

絶対に記入してほしい項目

妊婦健診に来られる妊婦さんの母子手帳を見せていただくと、病院の健診結果の記入欄以外白紙の状態の母子手帳を見かけることがよくあります。

妊婦さんは貧血などのマイナートラブルが多く、体調を崩しやすいです。

もし外出時に倒れてしまった時などの緊急時は、母子手帳だけが今の妊婦さんと赤ちゃんの状態を教えてくれる大切な「カルテ」になります。

そのため、最低限、絶対に記入してほしい項目があるんです。

表紙の名前

保護者の氏名欄には、丁寧に、戸籍どおりの正しい漢字で、ふりがなも忘れずに書きましょう。

母子手帳に省略した漢字など戸籍と異なる漢字で氏名を書いていると、医療機関が記入する出生届の母の氏名欄が間違って記載されてしまう可能性があります。

出生届を手渡される際には、氏名が戸籍の漢字と間違っていないか確認されると思いますが、誤記入を避けるためにも、母子手帳の表紙の氏名欄は、丁寧に、正しい戸籍の漢字で記載しておきましょう。

出生届に記載された氏名が戸籍の漢字と異なる場合は、受理されません。

基本情報

表紙に氏名が書けたら、次にママやパートナーの名前や年齢など、基本情報を記入しましょう。

表紙の1ページ目にママやパートナーの生年月日、職業、連絡先、住環境などを記入する欄があります。

もし授かり婚で婚姻届を提出する前なら、新しい姓の変更に備えて、名前を鉛筆で書いておくと良いでしょう。

何かあった時にすぐに連絡がつくように、携帯電話の番号も忘れずに記入し、変更があったらその都度書き直してください。

修正液などを使用しても問題ありません。

妊婦の健康状態等

母子手帳 妊婦の健康状態等

(厚生労働省ホームページより)

妊婦の健康状態等の欄は、今後母体の健康管理をしていく上で非常に重要な情報になります。

必ず妊婦であるご本人が記入してください。

妊娠・出産において、身長や体重、年齢だけでなく、今までかかったことのある病気や感染症、手術などの「既往歴」は、安全に妊娠を継続し、安全に出産する上でとても重要な情報となります。

また、今回が初めての妊娠・出産でない場合、上のお子さんを出産されたときの「今までの妊娠」の欄も重要です。

いつ出産したか、何週で出産したか、経膣分娩か帝王切開か、赤ちゃんの体重、現在の子の健康状態などは、今妊娠中の赤ちゃんを出産する際に非常に役立つ情報となります。

余白には、何時間で出産したか、出産時に出血が多かった、血圧が上がった、などあれば記載するとより良いでしょう。

外出時に倒れたりして自分自身で話すことができない状況では、母子手帳があなたと赤ちゃんの命を守ってくれる情報源となり、治療の助けになります。

基本事項を記入し、通勤や外出のときには必ず母子手帳を持ち歩くようにしましょう。

妊婦の職業と環境

(厚生労働省ホームページより)

妊婦の職業と環境の欄も、妊婦であるご本人が記入してください。

パート、アルバイト、主婦の人は、「職業欄になんて書けばいいの?」と悩むかもしれません。

決まりがあるわけではないので、「パート」「アルバイト」「主婦」などと書いて大丈夫です。

仕事の種類だけでなく、「事務作業」「寒い(暑い)環境」「立ち仕事が多い」など具体的に書いておくと、医師や助産師さんに妊娠中の生活アドバイスを受けるときの参考になります。

仕事を辞める、転職する予定がある場合でも、いったん現時点の情報を書きこんで、変更があったら、その都度追加で書きこむようにしましょう。

検査の記録

(厚生労働省ホームページより)

その後、数ページめくれば「妊婦自身の記録」「妊娠中の経過」の後に「検査の記録」と言うページがあります。

このページには、妊娠初期の血液検査で行った「感染症」「子宮頸がん検診」の結果、妊娠後期に行う「B群溶血性連鎖球菌」の結果を記入してください。

通っている産院で渡された上記の検査結果を貼り付けるのでも良いでしょう。

感染症は、妊娠・出産時の母子感染のリスクを把握し、適切な治療や予防を行う上でとても大切です。

医師や助産師も、出産に立ち会う前には、この「感染症」の結果は必ずカルテで確認をします。

カルテがない緊急時や災害時などは、母子手帳がカルテ代わりになってくれますので、このページも必ず記入(もしくは検査結果の貼り付け)を行いましょう。

妊婦の自由記載欄

母子手帳には必要最低限の情報を記入する以外にも様々なページがあります。

週数ごとに変化していく身体や気持ちの変化を記入する「妊婦自身の記録」やその後の月齢毎の成長を記録する「保護者の記録」などです。

妊婦自身の記録

週数毎の体調の変化やその時感じたことなどを自由に記入することができるページです。

初めて胎動を感じた時の気持ち、不安・疑問に思うこと、体の変化など、その時に感じた気持ちを素直に書き留めておきましょう。

パートナーさんや上の子にも、その時の気持ちを書いてもらうのも良いかもしれません。

写真を貼ったり、絵を描いたり、カラーペンを使用するのも自由です。

妊娠中や出産後は激動の毎日になります。その時は鮮やかなその気持ちも、後からはなかなか思い出せないものですので、ぜひ、家族みんなの「思い出の記録」として書いてみてください。

※「妊娠中の経過」「母親(両親)学級受講記録」「妊娠中と産後の歯の状態」「出産の状態」「出産後の母体の経過」「新生児期の経過」「生後1カ月から始まる乳児健診の結果」「予防接種の記録」などは、医療機関で記入されるため、空白にしておきましょう。

保護者の記録【○か月頃】

赤ちゃんが生まれてから「1ヶ月目」や「2~3ヶ月頃」などの成長記録を記入するページがあります。

初めて寝返りをした日や初めてつかまり立ちをした日などを記入できます。

それに加え、その時点でのできることを「はい」「いいえ」方式で記入していきます。

フリースペース

「保護者の記録【○か月頃】」の下部には、保護者が自由に書き込めるフリースペースがあります。

赤ちゃんの健診は産院で行う1ヶ月健診、自治体で行う6ヶ月健診などがあり、毎月行われるわけではありません。

次の健診までに時間があるので、その間に起きた出来事や出来るようになったことなど、赤ちゃんの成長度合いを記入しましょう。

ここに書く内容は特に決まっていないので、保護者が気付いたことなどを好きなように書いてください。

例えば…

「初めて声を出して笑った」

「初めて熱を出した」

「自分の手を見て遊びだした」

「歯が生えてきた」 など、なんでも構いません。

このフリースペースに書き込んでいればいるほど、赤ちゃんが大きくなったときに読み返してみると楽しいものとなります。

母子手帳を産まれてくる赤ちゃんへの最高のプレゼントにする方法

母子手帳を産まれてくる赤ちゃんへの最高のプレゼントにする方法は、上記で述べた「絶対に記入してほしい内容」と「自由記載欄」を活用するだけです。

絶対に記入してほしい内容は、あなたとお腹の中にいる赤ちゃんの命を守るためのカルテになります。

産まれた後も、赤ちゃんが受けた予防接種や、かかった病気が記録してあると、入園や就学時の健診、かかりつけ医を変えたときなどに貴重な情報源となります。

予防接種の重複や受けもれを防ぐことができるほか、また、将来、赤ちゃんが大人になり、海外に行く場合も、予防接種の履歴について正しく伝えることができます。

自由記載欄、保護者の記録は、どんな言葉でも構いません。

その時にあなたやパートナーさんが感じた素直な気持ちを記してあげるだけで、母子手帳は、産まれてくる赤ちゃんが成長したときに、愛情がいっぱいこもった最高のプレゼントになります。

必ずしも黒ペンで書かなくてはならないというルールもありません。

色ペンを使ってカラフルにしたり、イラストを書いたりしてもよいでしょう。


マスキングテープやシールでデコレーションも情報記入欄の邪魔にならない程度であればOKです。

最初のページに生まれたときの写真を貼ってあげても、可愛くて思い出に残る母子手帳となるでしょう。

母子手帳を、世界に一冊しかないあなたの宝物に、そしてお子さんへの最高のプレゼントにしてあげてくださいね。

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