先日、NCPRのS(スキルアップ)コースを受講してきました!
職場にインストラクターの方がいらっしゃったので、自施設で開催していただきました。
今回は、
実際に受講して思ったことと、その後のお産で新生児蘇生が必要な場面があったので、それについて振り返っていこうと思います。
助産師をしていれば必ず新生児蘇生について考えさせられる場面ってありますよね。
この記事はあくまで私自身の備忘録ですが、
新生児蘇生について悩める助産師さんと、少しでも思いを共有できたらと思い、書いていきたいと思います。
NCPRって何?
NCPRは「Neonatal Cardio-Pulmonary Resuscitation(新生児蘇生法)」の頭文字の略称。
出生時に呼吸や循環に異常があったり仮死状態にある新生児に対して行う心肺蘇生法のことをいいます。
日本周産期・新生児医学会が、「すべての分娩に新生児蘇生法を習得した医療スタッフが新生児の担当者として立ち会うことができる体制」の確立を目指し、講習会等を通して普及事業を全国的に実施しています。
今回私が受講したのはS(スキルアップ)コース
私はもともとNCPRのA(専門)コースのライセンスを取得しているため、そのライセンス更新のために必要なS(スキルアップ)コースを受講しました。
理由は、ライセンスの更新期限が迫っていたから……。
私が取得しているA(専門)コースは、新生児蘇生における自分の技術の再確認と、蘇生技術の質の維持を目的に、3年ごとにライセンスの更新が必要となっています。
私がS(スキルアップ)コースを受講するのもこれで3回目になります。
どんなことするの?
S(スキルアップ)コースは、講義は最低限の復習として短く(標準20分)、手技実習(標準70分)・シナリオ実習(標準70分)と実習に多くの時間を使います。
チェックシートを用いて自分の手技やシナリオ演習を再確認・振り返りを行う復習コースで、「蘇生技術の質の維持」を目的とした内容となっています。
S(スキルアップ)コースを受講して思ったこと
最初に行った座学で一番印象に残っているのは「90」という数字。
一つ目は、NCPRで学んだスキルは「90日」で失われていくということ。
二つ目は、人工呼吸さえ確実にできれば、新生児仮死の「90%」は蘇生可能であるということ。
何度もスキルアップコースを受講しているはずなのに、この数字を耳にすると、「人工呼吸で90%は蘇生できるんだから、90日で忘れてしまう技術をブラッシュアップさせなければ…!」と毎回鼓舞されるんですよね。
実際に、講義を受け、実技をしている中で、自信を持って答えられない、動けないことってあるなぁと自覚する場面がちらほらありました…。
コロナ禍では、e-ラーニングでの受講もありましたが、やっぱり、実技ができるっていいですね。
見るのとやるのでは全然違う!
覚えていること、わかっているつもりのことでも、実際に焦りながら手を動かし頭を動かしていると、頭が真っ白になるし上手くできないものです。
その「できないことを認識できる」ことが実技をする大きなメリットなのかもしれません。
そして、自分の働く施設で受講できたことも本当にありがたかったです。
共に働くメンバーと、使い慣れた場所で、いつも使っている物品で行える。
これほど実際の蘇生場面をメージしやすいものはありません。
もしも、NSPRの研修がご自身の働く職場で開催されていない場合は、自分やスタッフの動き、蘇生に使用する物品が研修とは異なる場合もありますから、自分の職場を想定したものとして一度確認をしておいた方が良いと思いました。
翌日の夜勤での出来事…
S(スキルアップ)コースを受講した翌日の夜勤で、なんと実際に新生児蘇生をすることになったんです…!!
しかもS(スキルアップ)コースでペアになって実技演習をしていたスタッフと共に!!
私もスタッフさんも、内心心臓バクバクになりながら、
すぐに臍帯(臍の緒)を切ってそっち(インファントウォーマー)行きます!!
自発呼吸なし!人工呼吸を開始!
ECGモニター持ってきて!
30秒経った!呼吸心拍確認!
小児科医に連絡を!
心拍・呼吸OKだけど、努力呼吸あるからCPAP継続しましょう!
などと、研修でのシナリオ演習さながらのコンビネーションで動くことができました。
もちろん、赤ちゃんは無事元気になってくれました〜。
研修の直後でなければ、この日のような判断、行動を速やかに取ることができなかったと思います。
今回の経験を通して、
この日生まれてくれた赤ちゃんが、
新生児蘇生の知識と技術を定期的にブラッシュアップすることの大切さを教えてくれたような気がしています。
まとめ
産科に勤めていると、状態の悪い赤ちゃんが生まれてくることはありますよね。
それは事前に予測できないこともあり、避けられない部分もあります。
お産に携わる以上、常にブラッシュアップし続けないといけない責任があります。
人の命、人の人生が自分の初期処置にかかっていますから。
私は、今回の経験を通して、院内外の新生児蘇生の勉強会は定期的に出席しようと再認識しました。
あとは、一緒に蘇生を行うスタッフとの日頃のコミュニケーションがすごく大事であることも痛感しました。
とまあ、今回の記事は、完全に自分のための備忘録でした。
読んで頂きありがとうございました。
コメント